魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
「さて、私は用事も済んだことだし、長居しても邪魔でしょう」
「そんなことない。せっかく同い年の女友達ができたんだし、ぜひ話を聞かせてくれ!」
他の隊員や見習いの各々が訓練するのを横目に、ミーナはヴィオルドに向かって言った。訓練場の時計は間もなく十七時を差すところである。
しかし返事をしたのはフィルだ。ヴィオルドが返事をする隙を与えず、ミーナに言い切る。
「お前なぁ、一応俺の指導中だろ。そういうのは休日にでもやれよ」
「いいじゃないですか。ヴィオルドだってパトロールはサボりみたいなもんでしょ」
「パトロールも立派な職務の一つだ。馬鹿なことは一人前になってから言え」
「でもほら、今から休憩時間にしてくれれば解決しますよ?」
「稽古つけてもらってる相手になんつー態度だ……」
ヴィオルドとフィルのやりとりを見ていたミーナ。彼がフィルのペースに流されていることに驚いた。それでもヴィオルドの表情から怒っているわけではなく、彼女の態度に呆れつつも年下の後輩を可愛がっているのがわかる。彼女は新鮮なものを見た気分だった。
文句を言い合いながらも楽しそうにしている二人は昔からの友人であるかのように親密。そんな彼らに微笑ましく思いながらも、ミーナはどこか置いていかれたような気分がしていた。
「ミーナさん。どーしたんすか、ボーッとして」
「ドルークさん。あのお嬢様のことを考えていたんです」
ドルークに声をかけられ咄嗟に嘘をついてしまった。フィルとヴィオルドに驚いたことを素直に話しても問題ないのに。
自分でもわからなかった。なぜ意味の無い嘘を言ったのだろうか。
そこでエルシニアについて思い返してみる。ヴィオルドが彼女と話しているときは何も感じなかった。それはヴィオルドがエルシニアの前で、取り繕っているのを知っていたからだろう。
ここで考えていても埒があかないので、ミーナは保留にしてその場を去る。
「店が気になるから、私帰るね」
「また来てくれ!」
「いや、来なくていい」
「先輩、なんでそんなこと言うんすか。気にしなくていいっすよ、ミーナさん」
それぞれが好き勝手に言葉を返し、門へ向かうミーナを見送った。
「そんなことない。せっかく同い年の女友達ができたんだし、ぜひ話を聞かせてくれ!」
他の隊員や見習いの各々が訓練するのを横目に、ミーナはヴィオルドに向かって言った。訓練場の時計は間もなく十七時を差すところである。
しかし返事をしたのはフィルだ。ヴィオルドが返事をする隙を与えず、ミーナに言い切る。
「お前なぁ、一応俺の指導中だろ。そういうのは休日にでもやれよ」
「いいじゃないですか。ヴィオルドだってパトロールはサボりみたいなもんでしょ」
「パトロールも立派な職務の一つだ。馬鹿なことは一人前になってから言え」
「でもほら、今から休憩時間にしてくれれば解決しますよ?」
「稽古つけてもらってる相手になんつー態度だ……」
ヴィオルドとフィルのやりとりを見ていたミーナ。彼がフィルのペースに流されていることに驚いた。それでもヴィオルドの表情から怒っているわけではなく、彼女の態度に呆れつつも年下の後輩を可愛がっているのがわかる。彼女は新鮮なものを見た気分だった。
文句を言い合いながらも楽しそうにしている二人は昔からの友人であるかのように親密。そんな彼らに微笑ましく思いながらも、ミーナはどこか置いていかれたような気分がしていた。
「ミーナさん。どーしたんすか、ボーッとして」
「ドルークさん。あのお嬢様のことを考えていたんです」
ドルークに声をかけられ咄嗟に嘘をついてしまった。フィルとヴィオルドに驚いたことを素直に話しても問題ないのに。
自分でもわからなかった。なぜ意味の無い嘘を言ったのだろうか。
そこでエルシニアについて思い返してみる。ヴィオルドが彼女と話しているときは何も感じなかった。それはヴィオルドがエルシニアの前で、取り繕っているのを知っていたからだろう。
ここで考えていても埒があかないので、ミーナは保留にしてその場を去る。
「店が気になるから、私帰るね」
「また来てくれ!」
「いや、来なくていい」
「先輩、なんでそんなこと言うんすか。気にしなくていいっすよ、ミーナさん」
それぞれが好き勝手に言葉を返し、門へ向かうミーナを見送った。