魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
「……ヴィオルド先輩!」

 ドルークに無理矢理起こされて、はっと目が覚めたヴィオルド。彼は冷や汗をかいており、顔は青ざめていた。息が上がっていて、目の焦点も定まっていない。

「どうしたんすか、先輩。ひどくうなされてましたよ」
「……ドルークか。なんでもない。少し夜風に当たってくる」

 そのままふらふらと外へ向かおうとする。それを慌ててドルークが止める。

「そんな危なっかしい状態で外に出ないでくださいよ。倒れたらどうするんすか」
「黙れ。お前は寝てろ」
「あ、ちょっと!」

 ドルークの言葉に全く意を介さず部屋を出て行ったヴィオルド。放っておけばそのうち戻るだろうと、ドルークは寝ることにした。衛兵の朝は早い。
< 29 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop