魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
ミーナは気分転換に、新しくオープンしたカフェに足を運んでいた。貴族や裕福層の多い城下街にあるその店は、優美な装飾や明るい絵画が多く、早くも城下に溶け込んでいる。
大通りに面したところにはウッドデッキがあり、テラス席もある。どこに座ろうか迷っていたところ、聞き覚えのある声に話しかけられた。
「お久しぶりねぇ、魔法使いさん」
驚いて振り向くと、エルシニアが紅茶を飲んでいた。
「エルシニア嬢?!」
「エルシーでいいわ。よろしければここに掛けて?」
彼女は訝しげにエルシニアを見ながらゆっくりと同じテーブルに座る。置いてあるメニューを手に取り、視線をメニューに落としながら彼女に尋ねた。
「……エルシー、貴女が私を同じ席に座らせるなんてどういう心境の変化?」
「アナタが気づかせてくれたのでしょう? 確かにあの頃のあたくしは幼かったわ」
一年も経っていないのにまるで昔を懐かしむように語るエルシニア。
彼女はミーナの言葉をきっかけに、現実を見つめ直すことができるようになっていた。エルシニアに都合よく振る舞ってくれる人は多かったが、それは彼女に魅力を感じたからではなく、エンテロコリティカ家の地位と財産に惹かれてのこと。
仮にエルシニアが貴族でなくなったとしたら、どれだけの人が彼女の言いなりになってくれるだろうか。彼女のご機嫌伺いをする者はいるのだろうか。
エルシニアの外見的な美しさに惹かれるものはいるだろうが、それは表面的なものである。やはり貴族の後ろ楯がなくなれば、他人事のように関心を示さなくなるだろう。
だからこそ彼女は表面的な魅力になびかなかったヴィオルドに、執着していたのだろう。最初から、心の奥底では気づいていたのかもしれない。
大通りに面したところにはウッドデッキがあり、テラス席もある。どこに座ろうか迷っていたところ、聞き覚えのある声に話しかけられた。
「お久しぶりねぇ、魔法使いさん」
驚いて振り向くと、エルシニアが紅茶を飲んでいた。
「エルシニア嬢?!」
「エルシーでいいわ。よろしければここに掛けて?」
彼女は訝しげにエルシニアを見ながらゆっくりと同じテーブルに座る。置いてあるメニューを手に取り、視線をメニューに落としながら彼女に尋ねた。
「……エルシー、貴女が私を同じ席に座らせるなんてどういう心境の変化?」
「アナタが気づかせてくれたのでしょう? 確かにあの頃のあたくしは幼かったわ」
一年も経っていないのにまるで昔を懐かしむように語るエルシニア。
彼女はミーナの言葉をきっかけに、現実を見つめ直すことができるようになっていた。エルシニアに都合よく振る舞ってくれる人は多かったが、それは彼女に魅力を感じたからではなく、エンテロコリティカ家の地位と財産に惹かれてのこと。
仮にエルシニアが貴族でなくなったとしたら、どれだけの人が彼女の言いなりになってくれるだろうか。彼女のご機嫌伺いをする者はいるのだろうか。
エルシニアの外見的な美しさに惹かれるものはいるだろうが、それは表面的なものである。やはり貴族の後ろ楯がなくなれば、他人事のように関心を示さなくなるだろう。
だからこそ彼女は表面的な魅力になびかなかったヴィオルドに、執着していたのだろう。最初から、心の奥底では気づいていたのかもしれない。