魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
ミーナは地図を手に、エンテロコリティカ邸の前に立っていた。この場所で正しいか、もう一度確認する。彼女は屋敷へ視線を戻し、視界に入りきらない豪邸に絶句していた。まさかここまでの資産家だったとは。
赤レンガで建てられたその豪邸は古風な造りになっており、窓の形も洒落ている。彼女が持つ服の中で一番上等なものを選んできたのに、場違いなのではないかと心細くなりながらノッカーを鳴らす。すぐに使用人らしき男性がドアを開けた。
「ミーナ様ですか? お嬢様からお話は伺っております。案内致しますのでこちらへ」
「ありがとうございます」
ミーナは彼に案内され、屋敷に入り中を見回す。二股にわかれた階段、装飾の美しいランプ、芸術的な絵画が掛けられた壁。ミーナの実家も裕福な魔法使いのため普通とは違うが、やはり貴族は桁が違う。さらにエンテロコリティカ家は、貴族の中で裕福な方である。
使用人が立ち止まった先にある扉をノックし、「ミーナ様がお見えです」と一声かけるとエルシニアから「入って」と返事が聞こえてきた。使用人は静かに扉を開け、彼女を部屋へ入るよう手で示した。
「ご機嫌うるわしゅう。そこの椅子におかけになって?」
「ありがとう」
ミーナが部屋に入ると、使用人は静かに扉を閉めて去って行った。それを確認したエルシニアは不適な微笑みを称えながらミーナに質問する。
「それで、いつからかしらぁ?」
「え、答えるのそれ」
乾いた笑みを浮かべながら即答する。思い返してみればはっきりとした時期はわからない。気づいたら好きになっていたのだ。もしわかっていたとしても、ミーナは恥ずかしくて答えたくなかったが。
それに対し、エルシニアは心外だというようなそぶりで言葉を返す。
「あらいいじゃなあい? ギャフンと言わせたかった相手をどうやって好きになったのか気になるわぁ?」
他人の口から好きだという事実を言われると現実をつきつけられたようで、やはり恥ずかしい。ミーナは顔を赤らめながら言葉を強める。
「よくないの! そこは放っておいてよ……!」
「あらあらぁ、赤くなっちゃって。ま、挨拶はこのくらいにしてあげるわ?」
くすくすと笑いながら、エルシニアは彼女に向き直った。余裕のないミーナと違い、彼女はこの状況を大いに楽しんでいるようだ。
赤レンガで建てられたその豪邸は古風な造りになっており、窓の形も洒落ている。彼女が持つ服の中で一番上等なものを選んできたのに、場違いなのではないかと心細くなりながらノッカーを鳴らす。すぐに使用人らしき男性がドアを開けた。
「ミーナ様ですか? お嬢様からお話は伺っております。案内致しますのでこちらへ」
「ありがとうございます」
ミーナは彼に案内され、屋敷に入り中を見回す。二股にわかれた階段、装飾の美しいランプ、芸術的な絵画が掛けられた壁。ミーナの実家も裕福な魔法使いのため普通とは違うが、やはり貴族は桁が違う。さらにエンテロコリティカ家は、貴族の中で裕福な方である。
使用人が立ち止まった先にある扉をノックし、「ミーナ様がお見えです」と一声かけるとエルシニアから「入って」と返事が聞こえてきた。使用人は静かに扉を開け、彼女を部屋へ入るよう手で示した。
「ご機嫌うるわしゅう。そこの椅子におかけになって?」
「ありがとう」
ミーナが部屋に入ると、使用人は静かに扉を閉めて去って行った。それを確認したエルシニアは不適な微笑みを称えながらミーナに質問する。
「それで、いつからかしらぁ?」
「え、答えるのそれ」
乾いた笑みを浮かべながら即答する。思い返してみればはっきりとした時期はわからない。気づいたら好きになっていたのだ。もしわかっていたとしても、ミーナは恥ずかしくて答えたくなかったが。
それに対し、エルシニアは心外だというようなそぶりで言葉を返す。
「あらいいじゃなあい? ギャフンと言わせたかった相手をどうやって好きになったのか気になるわぁ?」
他人の口から好きだという事実を言われると現実をつきつけられたようで、やはり恥ずかしい。ミーナは顔を赤らめながら言葉を強める。
「よくないの! そこは放っておいてよ……!」
「あらあらぁ、赤くなっちゃって。ま、挨拶はこのくらいにしてあげるわ?」
くすくすと笑いながら、エルシニアは彼女に向き直った。余裕のないミーナと違い、彼女はこの状況を大いに楽しんでいるようだ。