魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
ミーナが声をかけるより前に、ヴィオルドがその気配に気づいた。彼はミーナを認識すると、焦点を彼女に合わせ恐る恐る声をかける。
「ミーナ? なんでここに?」
「なんで……って、貴方に話があるからよ」
彼女の言葉を聞いて、ばつが悪そうに目を逸らすヴィオルド。彼は耐えられなくて目の前にたどり着いたミーナに謝罪を口にする。
「その、……昨日は悪かった。俺に失望しただろ? だからもう、俺には――」
「失望なんてしてない!」
自嘲気味にヴィオルドが続けた言葉を、彼女は強く遮った。彼は驚いてミーナを見つめる。彼女は真っ直ぐな表情をしていた。
その表情を崩さぬまま、ミーナは続ける。
「私の方こそ、ごめんなさい。ヴィオの気持ち、全然考えてなかった。それを謝りに、ここへ来たの。貴方こそ、私に失望してるんでしょ」
失望したと突き放すことが彼女のためになるのに。けれど彼はこれ以上ミーナの傷く顔を見たくなかった。そうでないと声高に主張し、彼女の優しさに甘えていたかった。そんな葛藤がヴィオルドの内で起こる。
不自然な間を開けてしまわないよう、ヴィオルドはやっとの思いで口を開く。本心が出てしまわないよう、ゆっくりと答えを声にする。
「俺は…………失望、なんて……っ」
それでも彼の言葉は本心に塗り替えられてしまった。ミーナに中途半端な誤魔化しは通用しないことを思い出したヴィオルドは、諦めて本当の思いを言葉にする。
「失望なんて、するわけない。あんたとの出会いは、俺にとって救いだった」
彼はミーナの目をしっかりと見据え、嘘偽りのない表情で一字一句丁寧に語った。
ミーナは予想とは違った回答に宝石のような目を見開いて驚く。
「え……? どういうこと……?」
ヴィオルドは大切なものに向ける目線をミーナに向けて話し始めた。
「ミーナと話してるときは、過去から解放された気になるんだ。あんたとの言い合いは出会ったばかりの頃から楽しかったよ。俺も、少しだけそっちの明るい方にいていいのかなという気分になれた」
それを聞いて彼女はエルテブールに来たばかりの頃に想いを馳せる。不思議なことに随分と昔のことのように思えた。
ヴィオルドは話を続ける。
「ミーナ? なんでここに?」
「なんで……って、貴方に話があるからよ」
彼女の言葉を聞いて、ばつが悪そうに目を逸らすヴィオルド。彼は耐えられなくて目の前にたどり着いたミーナに謝罪を口にする。
「その、……昨日は悪かった。俺に失望しただろ? だからもう、俺には――」
「失望なんてしてない!」
自嘲気味にヴィオルドが続けた言葉を、彼女は強く遮った。彼は驚いてミーナを見つめる。彼女は真っ直ぐな表情をしていた。
その表情を崩さぬまま、ミーナは続ける。
「私の方こそ、ごめんなさい。ヴィオの気持ち、全然考えてなかった。それを謝りに、ここへ来たの。貴方こそ、私に失望してるんでしょ」
失望したと突き放すことが彼女のためになるのに。けれど彼はこれ以上ミーナの傷く顔を見たくなかった。そうでないと声高に主張し、彼女の優しさに甘えていたかった。そんな葛藤がヴィオルドの内で起こる。
不自然な間を開けてしまわないよう、ヴィオルドはやっとの思いで口を開く。本心が出てしまわないよう、ゆっくりと答えを声にする。
「俺は…………失望、なんて……っ」
それでも彼の言葉は本心に塗り替えられてしまった。ミーナに中途半端な誤魔化しは通用しないことを思い出したヴィオルドは、諦めて本当の思いを言葉にする。
「失望なんて、するわけない。あんたとの出会いは、俺にとって救いだった」
彼はミーナの目をしっかりと見据え、嘘偽りのない表情で一字一句丁寧に語った。
ミーナは予想とは違った回答に宝石のような目を見開いて驚く。
「え……? どういうこと……?」
ヴィオルドは大切なものに向ける目線をミーナに向けて話し始めた。
「ミーナと話してるときは、過去から解放された気になるんだ。あんたとの言い合いは出会ったばかりの頃から楽しかったよ。俺も、少しだけそっちの明るい方にいていいのかなという気分になれた」
それを聞いて彼女はエルテブールに来たばかりの頃に想いを馳せる。不思議なことに随分と昔のことのように思えた。
ヴィオルドは話を続ける。