魔法の使い方2 恋のライバル、現る!?
「ヴィオが罪を感じる必要はない。貴方は両親とは違う人間なの! 両親と違って【明けぬ夜】を恥じていたのでしょう?」
両親と違う。そう言われたヴィオルドは、はっとした顔を上げる。その瞳には、驚きと戸惑いと安堵の色が含まれていた。
「とにかく、まだ幼いヴィオに“あれ”はそうするしかなかったのよ! だから、胸を張って生きなさい! もしできないのなら、“友達”である私に愚痴をこぼすなり弱音を吐くなりしなさい! 話せば心が軽くなることもあるんだから!」
ミーナは感情を込めながらまくし立てるように言い切り、ヴィオルドを見据えた。言いたいことを全て言い終えた満足感を感じながら彼の反応を伺う。
しばしの沈黙のあと、ヴィオルドは恐る恐る口を開いた。力のない声で、弱々しく尋ねる。
「……俺は、赦されていいのか?」
「私は他人を裁く立場じゃないから、そんなことは知らないし、どうでもいい。けど、私がヴィオのことで気に食わなかったのは弱みを全く見せないこと。――だから、今の発言で私は“貴方を赦してあげる”」
強い意志を抱いた表情の彼女は視線をヴィオルドから離すことなく、安心させる声音で彼の問いに答えた。
二人の間を風がすり抜ける。風はヴィオルドとミーナの髪を弄び、柔らかい髪は日に照らされながらふわりと舞った。
「そうか、俺は赦されたのか……」
彼女の答えを聞いたヴィオルドは満足そうに目を伏せる。赦免されたことを噛み締めるかのごとく、静かに言葉にした。
ヴィオルドの呟きを聞いて頷き、ミーナは彼の横に腰かける。石で作られた噴水の縁はひんやりと冷たい。
「それでもまだ貴方の悪夢が攻め続けるのなら、私に言えばいい。ヴィオ、貴方は一人じゃない」
彼女はヴィオルドの手を取り、自分の手で優しく包み込む。
彼の骨ばった手は冷えて強ばっていた。一方ミーナの小さく白い手は温かく、彼の手を解かすように柔らかな熱を伝える。その熱はヴィオルドの手だけでなく、心までも解かしていった。
両親と違う。そう言われたヴィオルドは、はっとした顔を上げる。その瞳には、驚きと戸惑いと安堵の色が含まれていた。
「とにかく、まだ幼いヴィオに“あれ”はそうするしかなかったのよ! だから、胸を張って生きなさい! もしできないのなら、“友達”である私に愚痴をこぼすなり弱音を吐くなりしなさい! 話せば心が軽くなることもあるんだから!」
ミーナは感情を込めながらまくし立てるように言い切り、ヴィオルドを見据えた。言いたいことを全て言い終えた満足感を感じながら彼の反応を伺う。
しばしの沈黙のあと、ヴィオルドは恐る恐る口を開いた。力のない声で、弱々しく尋ねる。
「……俺は、赦されていいのか?」
「私は他人を裁く立場じゃないから、そんなことは知らないし、どうでもいい。けど、私がヴィオのことで気に食わなかったのは弱みを全く見せないこと。――だから、今の発言で私は“貴方を赦してあげる”」
強い意志を抱いた表情の彼女は視線をヴィオルドから離すことなく、安心させる声音で彼の問いに答えた。
二人の間を風がすり抜ける。風はヴィオルドとミーナの髪を弄び、柔らかい髪は日に照らされながらふわりと舞った。
「そうか、俺は赦されたのか……」
彼女の答えを聞いたヴィオルドは満足そうに目を伏せる。赦免されたことを噛み締めるかのごとく、静かに言葉にした。
ヴィオルドの呟きを聞いて頷き、ミーナは彼の横に腰かける。石で作られた噴水の縁はひんやりと冷たい。
「それでもまだ貴方の悪夢が攻め続けるのなら、私に言えばいい。ヴィオ、貴方は一人じゃない」
彼女はヴィオルドの手を取り、自分の手で優しく包み込む。
彼の骨ばった手は冷えて強ばっていた。一方ミーナの小さく白い手は温かく、彼の手を解かすように柔らかな熱を伝える。その熱はヴィオルドの手だけでなく、心までも解かしていった。