告白バレンタイン


ーーピンポーン。


突然、家のチャイムが鳴った。


慌てて玄関に行き、誰だろうと恐る恐るドアを開けると、私は目の前にいる人物にびっくりしてしまった。


「け、彗くん⁉︎」


だって、私の目の前には大好きな彼の姿がそこにあったから。


「お前さ、ほんと、いい加減にしろよ」


なぜか彗くんは怒っていて、


「えっ? なんのこと?」


その意図が分からずそう尋ねると、彼は手に持っているものを見せた。


「これ、お前だろ?」


彼が手にしていたそれは、さっき、私が彼の家の郵便ポストに入れたもの。


「‥‥‥!」


言い当てられてびっくりして体が硬直する。


名前書いてないし、分かるはずないのに‥‥‥。


「やっぱり、お前だったか」


「ど、どうして私だって分かったの?」


驚きのあまり震える声で尋ねてみると、「俺の家知ってるやつお前しかいないから」と彼は言った。

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