花と誠の想い
一人の青年に声をかけられました


『こんにちは。目が覚めたらここにいて。』



そう言うと青年は困った顔をして
ポリポリと頭をかきました。



「お名前は?」



女の子に名前はありません。
遠い昔にお花さまと呼ばれていた
そんな記憶は残っています。



青く晴れた空の下で
桜の花が咲いていました。
花びらがヒラヒラと散る中



「おはな」



女の子は呟きました



「はなちゃんってゆうのかー
お父さんとお母さんはどうしたの?」


この世界に女の子の親などいません。
何十年もひとりぼっちで暮らしていました。



『遠くに行っちゃった』



青年は驚いた表情をし
そのあと少し困りながら、


「うちにおいでよ!」


青年の言葉にお花は驚きました
初めて会う私に対する優しさに、

あぁ、この人はきっとんなに優しいんだ


暖かい気持ちになり、
やっぱり人間は素敵で美しいと確信しました


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