花と誠の想い
その男の子は毎日1人で会いに来ました

会いに来る度沢山お話をして、
またあしたー!と帰っていくのです。


私が人に会いたくないのがわかるのか
いつも夕暮れ時に1人で会いに来ます。


「お姉ちゃんはいつも太陽を眺めてるね
お空に何かあるの?」


『お空に家族がいたの。ずっと昔にね』


男の子はコテっと顔を傾け不思議そうな顔をしながら、そうなんだねー


女の子はこの男の子と話すのは嫌ではありませんでした。

ですが仲良くなりたいとも思えません。


「お姉ちゃんは天女さまなんだね
すごく綺麗で可愛い」


そんな言葉に胸を打たれた女の子
人間が好きだという昔の感情でもなく、
嫌悪感でもない初めての気持ちに戸惑いました。


またねー!と去って行く男の子は走って帰る途中に振り返り、


「お姉ちゃん、
明日俺の大好きな人つれててもいい?
お姉ちゃんもきっと好きになるよ」


その男の子の言葉に少し迷いましたが、
コクリと頷きました。


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