花と誠の想い
「お前は教えたらすぐできるようになるな」


トシくんは毎日来て剣術を教えてくれます。
2人で汗を流してお話をする時間は
とっても楽しくてあっという間に時がたってしまいます。


『トシくんが教えるの上手なんだよ』

微笑む彼女がとても眩しく感じられました。

そして彼女からは花のような木のような、
とてもいいにおいがしました。


「汗かいてるはずなのにいい匂いするな」


嗅がないでよトシくん!恥ずかしい


そう言いながら
恥ずかしそうに彼女は笑いました。


全ての仕草が愛おしい、
笑顔も匂いも声も全てが愛おしい。

彼女の周りだけ桃色に見えました。


それと同時に、自分だけが見えるところに
閉じ込めておきたいと…。


「ほかの変な男に声掛けられても、
私には許嫁がいます!って断るんだぞ」


『うん!わかったよ!』


向日葵もトシくんに似て真っ直ぐな
普通の女の子のようになっていました。


タッタッタッ


遠くから走ってくる足音が聞こえます


「トシ!お前の家、火事だって…。」


息を切らしながら、走ってきたのは勇くん
トシくんの家が火事?


『誰か怪我してるの?』


「何人か火傷してる人もいるらしい」


『行こう!トシくん』


トシくんの腕を引きながら
トシくんの家まで走っていった

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