花と誠の想い
それを見ていた全員がそう思った。
そして、火傷はみるみる移っていくのです。


「としぞう…?」


ああ良かったお姉さんは生きてる。
そう思いながらだんだんと意識が薄れていくのが分かった。


「ひまわり…!おい!返事しろよ…!」


トシくんの声が聞こえる
体が薄くなっていく。消えちゃうんだ。
まだ生きたいのに…。

死ぬわけじゃない。わかっているけど、
トシくんと、イサミくんとサヨナラするのが悲しくて、涙が出た。


『トシ…くん。ごめんね…。
約束守れなくって…。ごめんね…。』




「そんなのいいから!どうゆう事だよ!
消えかかってるぞ…」


説明する力もなくて、声も出なくて。

ダメだよ、トシくん
強くなるのにそんな顔しちゃ。


目には涙が溜まり、顔をクシャクシャにしながら叫んでいる男の子。


ごめんね…ごめんね……。
もっと一緒にいたかったよ。


『だいすき……。』

私に初めての気持ちをくれた男の子

心に空いた穴を埋めてくれた男の子…。


「おい!…おい!…消えんなって…っ!」

トシくん。涙がこぼれてるよ。
拭いてあげる力もない…。もう消えちゃう…


ごめんね…。だいすき……。ありがとう…



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