花と誠の想い
近藤side.


時が経つのはとても早い。

あの子がいなくなってからもう10年。
宗次郎が来てからもう5年も経とうとしている。

トシの奴は少しは落ち着いたし、
宗次郎の面倒もよく見てくれている。


トシの中のあの子の存在がいつまでも
トシを苦しめている。


宗次郎のイタズラがいい具合に和らげているようだが、その程度じゃ何も埋まらないのだろう。


もしまた彼女が現れてくれたら、
どんなにトシと俺が嬉しいか…。


神様がいるのならお願いだ。



もう一度
あの二人を引き合わせてはくれないだろうか。

俺は祈ることしか出来ない。

end

< 54 / 80 >

この作品をシェア

pagetop