花と誠の想い
『お兄さん…?私の事を呼んだのは?』


澄んでいて頭に直接響く聞きなれた声



「お嬢さん。お名前は?」


初めに声をかけたのは総司だった。



『名前はないよ。』



ずっと昔に同じ言葉を聞いた。
天女のような女の子から。


間違いねぇ。向日葵だ。



だが、何も覚えていないのか?
俺の顔を見ても近藤さんの顔を見ても
表情1つかわらねぇ

瞳の奥が真っ暗で、初めて出逢った時の瞳


「近藤さん…。コイツ…覚えてねぇのか?」



どうすればいい?
何をするのが正解だ?


「君…お家はないのかい?」



『住む場所はまだ見つけてないよ』



暗い瞳をした彼女は近藤さんの問いに答えつつ、俺のことを見つめている…


『お兄さん…私と会ったことある…?』



素直な質問に戸惑いながら
全く何も覚えてない訳では無いことに少し安心した。


end
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