同じだけの愛をかえして
序章
始まりは、高校に入ってすぐの宿泊学習。

みんなで作ったカレーを食べようとしたら、私のカレーの上に蜘蛛が落ちてきて。
先生は「小さい蜘蛛だから食べれるでしょ」って言うし、友達も遠巻きに可哀想って言うだけ。

誰も助けてくれようとはしてくれなかった。

「よかったら、俺の食べて」

ーーあなた以外は、誰も。

「ここだけ捨てたら食えるよ大丈夫!けど女子にはキツいよなー」

そう言いながら笑顔で助けてくれたあなたを、気がつけば私は目で追うようになっていて。
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