同じだけの愛をかえして
2章 球技大会
衝撃の放課後から一週間、なんとなく仲の良いグループが固まりだしてきた頃。

「今日のLHRでは球技大会のチーム分けをします!委員長と副委員長中心に話し合いを進めてねー」

LHR開始早々、先生はそれだけ言うと教員用の机で課題の採点を始めた。

見た目はとても可愛らしいのに中身はサバサバしてて頼り甲斐のあるこの先生は、普段はとても放任主義だ。

委員長の指示で教室の半分ずつに男女で別れる。

女子の競技はバスケとバレー、卓球。そしてオセロに将棋。

…なんで球技大会にオセロと将棋があるのかはわからないけど、何故かうちの伝統らしい。


「じゃあ、出たい競技に手を上げてねー。まずバスケ出たい人ー」


正直生粋のインドアである私にとって、球技大会と体育祭は地獄の行事だ。

どうにかオセロか将棋に滑り込みたいところだけど、高校二年女子がわざわざ汗をかく競技に出るはずもなく。

部活に入ってる子達が何人か張り切って手を挙げているだけで、とても人数は埋まりそうにない。


「じゃあオセロしたい人は?」


案の定、女子の半数ほどが手を上げた。

だよねーと落ち込みながら自分も手を挙げる。

将棋の方がメンバーになれそうだけど、ルールよくわかってないんだよね…...。


「やっぱオセロ多いなぁ。じゃああみだくじで決めるよー」


教室に常備してある紙にフリーハンドで線を引くと、副委員長は名前を書くように促してきた。



(どうか当たりますように!)
< 15 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop