同じだけの愛をかえして
森崎くんと2人でいられるのはすごく嬉しい。

嬉しいけど、運動不足の体に連日の放課後バスケは想像以上にきつかった。

気合い充分なバスケ部女子と、それに感化されたメンバー達は今や「やるからには優勝!」を合言葉に練習を重ねている。

日々熱が入っていくそれに、体がどうしてもついていかないのだ。

他の子は部活を理由に毎日練習出来ないのに対し、基本参加自由の美術部である私は毎日練習に参加出来てしまうというのも要因だった。

体が休まる暇がない。



「うぅうう、床冷たいー。気持ちいいー。溶けたい...」

「......なにやってんの?お前」


汚いとわかっていても起き上がる気力もなく、惰性でゴロゴロとしていると、少し遠くの方から呆れたような声が聞こえた。

見られた恥ずかしさから慌てて体を起こすと、私が今1番関わりたくない人が立っている。


「緒方くん...」

「よぉ、有馬。森崎いるか?」

まるであの日のことなどなかったかのように平然としている緒方くんは、きょろきょろと周りを見渡しながらこっちへ近づいてきた。
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