同じだけの愛をかえして
付き合う意味を感じない......?
付き合う意味を感じないって脈なしにもほどがあるでしょ。
一年勝手に追っかけをした上、調子に乗って告白した結果がこれとかーー。
「……そう、だよね。私なんて、地味だし、積極性もないし、面白みもないし、森崎くんとそんなに仲良い訳でもないーーー」
「そんなことない!」
もしかしたら嫌いだって言われた方が楽なんじゃないかと思うくらい、私の心は深くえぐられていた。
真っ白になった頭でどうにか気まずくならないようにと言葉を紡ぐけど、気がつけば口から出るのは自分をけなす言葉ばかり。
ネガティブな思考に埋まりかけた私を否定したのは、この一年間ずっと聞いてきた力強い声だった。
「有馬はいつも一生懸命で、掃除も時間ギリギリまでやってるし、皆がそこそこで終わらせる課題も自分が納得するまで頑張ってる。確かに表立って何かをするタイプじゃないけど、有馬のお陰で助かってる奴いっぱいいると思うよ!」
……あれ?嬉しいよ?嬉しい、けど…
なんで私、フラれた人にこんな褒められてるの?
「それに有馬は細かいところに気がつくし、皆が嫌がる仕事も率先してやってくれるだろ?まさにあれだよな!縁の下の力持ち。俺本当に有馬と同じクラスでよかったよ!」
「……森崎くん」
「ん?」
「私いまフラれたよね?」
「うん。…ごめんね?」
……これはつまり、あれだ。私に女の子としての魅力が全くなかったんだ。
ここまで平然と友達としてはいいけど恋人は無理って言われたら、いっそ清々しいよ。
「わかった。……聞いてくれてありがとうね!」
「おう!違うクラスになっても、仲良くしようなー。じゃ、さよなら!」
まるで世間話をしただけのようにあっさりと、森崎君は帰っていった。
一人残った教室で、呆然と立ち尽くす。
有馬詩織、高校一年最後の日。
ずっと好きだった人にフラれましたーーー。
付き合う意味を感じないって脈なしにもほどがあるでしょ。
一年勝手に追っかけをした上、調子に乗って告白した結果がこれとかーー。
「……そう、だよね。私なんて、地味だし、積極性もないし、面白みもないし、森崎くんとそんなに仲良い訳でもないーーー」
「そんなことない!」
もしかしたら嫌いだって言われた方が楽なんじゃないかと思うくらい、私の心は深くえぐられていた。
真っ白になった頭でどうにか気まずくならないようにと言葉を紡ぐけど、気がつけば口から出るのは自分をけなす言葉ばかり。
ネガティブな思考に埋まりかけた私を否定したのは、この一年間ずっと聞いてきた力強い声だった。
「有馬はいつも一生懸命で、掃除も時間ギリギリまでやってるし、皆がそこそこで終わらせる課題も自分が納得するまで頑張ってる。確かに表立って何かをするタイプじゃないけど、有馬のお陰で助かってる奴いっぱいいると思うよ!」
……あれ?嬉しいよ?嬉しい、けど…
なんで私、フラれた人にこんな褒められてるの?
「それに有馬は細かいところに気がつくし、皆が嫌がる仕事も率先してやってくれるだろ?まさにあれだよな!縁の下の力持ち。俺本当に有馬と同じクラスでよかったよ!」
「……森崎くん」
「ん?」
「私いまフラれたよね?」
「うん。…ごめんね?」
……これはつまり、あれだ。私に女の子としての魅力が全くなかったんだ。
ここまで平然と友達としてはいいけど恋人は無理って言われたら、いっそ清々しいよ。
「わかった。……聞いてくれてありがとうね!」
「おう!違うクラスになっても、仲良くしようなー。じゃ、さよなら!」
まるで世間話をしただけのようにあっさりと、森崎君は帰っていった。
一人残った教室で、呆然と立ち尽くす。
有馬詩織、高校一年最後の日。
ずっと好きだった人にフラれましたーーー。