同じだけの愛をかえして
1章 2年生の始まり
そして新学年。

特に思い入れのない入学式への出席を終えてから、自分のクラスに友達と帰る。

クラス替えの結果は、まぁまぁ。

仲のいい友達の何人かは別のクラスになったし、もちろん同じクラスになった子もいた。

そして、森崎くんも同じクラス。

あんなに違うクラスになるのが怖かったのに、今となっては違うクラスになった方が気まずくならなかったのにと思ったり。

大きな違いと言えば……。


「詩織の後ろの席、緒方くんだったよね?いいなぁー」

「私はあんまり興味なかったからなぁ。どうせそのうち席替えあるよ!」


同じクラスに、緒方優征〈オガタ ユウセイ〉がいることくらい。

私は去年森崎くんばかり追っかけてたから詳しく知らないんだけど、なんでも完璧人間らしい。

文武両道、才色兼備。

人付き合いは良くないけど、そこがまたミステリアスで素敵!

とは友達の談。


私はミステリアスな人怖いけどなぁ。


「あー、詩織ったら森崎君一筋だもんね」

「うん。……もう、終わっちゃったけどね」

「あ、ごめん」

「いやいや、もう気にしてないよ!」

「嘘つけ!けど、森崎はハードル高すぎだよ正直。誰も告白成功してないじゃん」

「うぅぅ」

「うならない!」

「ごめんなさーい。じゃあ、また後で」
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