現実主義者の恋愛事情・王子を一時預かりします レイと綺麗
「おまえんとこ2LDKだよな。
部屋一個開ければいいかな。
俺、ちょうど短期間、部屋探しを
頼まれているんだけど、
敷金とか礼金とか、
短期だともったいないしな。
お前の所なら、そこそこのマンションだし、いいかなって思って」
綺麗はスマホをスピーカーにすると、通帳残高を確認した。
「まず、面接するよ。
変な人ならやだし。
短期間でも生活ルールとかさ、
お金とかさ、ちゃんと決めないと」
「ぐふっ・・・」
高梨は含み笑いをしている。
「身元は俺が保証する。
今晩、連れて行ってもいいかな」
やけに話が早い。
まぁ、仕事と女に関しては、
高梨は手が早い。
「わかった。で・・
時間は17時でいい?」
綺麗は電話を切って、
腕組みして部屋を見回した。
敷金が減るのが嫌だから、
部屋はきれいに使っているつもりだ。
6畳の和室を開ければいいか。
綺麗はすぐに掃除機を持ち、
和室の掃除を始めた。