現実主義者の恋愛事情・王子を一時預かりします レイと綺麗
「別に弟が来たって思えば
いいじゃないか。
俺だって妹がくれば泊めるし」
綺麗は知っている。
高梨が複数の女の子と
付き合っている事を。
それも、ばれそうになった時、
<妹>の存在を言い出すのだ。
確かに高梨には、大学生の妹がいる。
「だけどさぁ・・
男の人を泊まらせるのはまずいよ・・」
「だって、レイさん、彼氏いるんだぜ。
変に気を回す事ない」
そう言って高梨は、
下品にぐふっと笑い、玄関の方に視線をやった。
「あの電話だって、彼氏かも・・・」
高梨は人差し指を上げた。
「10万でどう?」
「光熱費は別料金で、食費は?」
高梨は顎に手をやった。
「うーーん、そこは難しいな、
お前の料理が、
口に合うかどうかわからんしな」
綺麗は抗議の意味を込めて、
再度、高梨のスネを蹴り上げた。
「いてぇなぁ・・
今日から泊めてくれれば・・・
15万、すべてコミコミで」
綺麗は考え込んでいる。
14日・1日1万か・・
「レイさん、日本でホームステイ
してみたいって言っていたからさ。
お前の所ならいいじゃん。
逆に独身男の家の方が、
危険かも・・」
高梨は下品にグフフと鼻で笑った。
「桐谷は面倒見いいしさ。
安心できる。
一時預かりしろや」
安心・・て、どういう意味よ・・
と聞こうとした時に、
王子が戻ってきた。
「ごめんなさい。話の続きを・・」
そう言ってから、王子が座った。