現実主義者の恋愛事情・王子を一時預かりします レイと綺麗
もしかして、もしかして・・・
可能性はある・・・
綺麗は座り込んだ。
自分の現実が別にあったのだ。
愛や恋よりも、最優先の現実
綺麗はすぐにスマホで検索をした。
その選択肢。
緊急避妊ピル
72時間以内だ。
綺麗が立ち上がったのは、
夕刻が始まる時間だった。
まず母に電話をした。
「お母ちゃん、
仕事、辞めてそっちに帰るかも。
いや、
まだ確定じゃないけどさ・・・」
綺麗は大きく息を吸って、
吐き出すように言った。
「子どもできたら、産むけど。
結婚はしない。シングルで育てる」
電話の向こうで、
母が息を呑んだのが分かった。
電話を切ると、
ドラッグストアに行くために
財布を持った。
妊娠検査薬を買っておかねばならない。
高梨にも連絡した。
もう・・
合コンはやらない。