雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「ごちそうさまでした」
全部食べ終わると、身体はポカポカ、エネルギーが湧いてきた。
暇だったのか、とっくに食べ終わっていた進藤は頬杖をつき、ニコニコと私を眺めている。
「さあ、かまくら作りを再開するわよ!」
「はいはい」
ヤツは素直に立ち上がった。
「じゃあ、入口を作っていくぞ」
進藤がかまくらの正面に馬蹄形の入口の線を引いて、宣言した。彼と並んでしゃがむと、そっと雪を掻き出していく。
単純作業は得意だ。
無心になって、雪をほじくり返す。
だんだん入口が広がっていき、中に入り込むことができるようになると、私がよつん這いで中に入って掘った雪を進藤が外に出してくれた。
「楽しい」
思わずつぶやくと、「そうだな。俺は役得」と意味不明のことをつぶやいた。
進藤はたまによくわからない。昔から邪険にしてもやたらとかまってくるし。
全部食べ終わると、身体はポカポカ、エネルギーが湧いてきた。
暇だったのか、とっくに食べ終わっていた進藤は頬杖をつき、ニコニコと私を眺めている。
「さあ、かまくら作りを再開するわよ!」
「はいはい」
ヤツは素直に立ち上がった。
「じゃあ、入口を作っていくぞ」
進藤がかまくらの正面に馬蹄形の入口の線を引いて、宣言した。彼と並んでしゃがむと、そっと雪を掻き出していく。
単純作業は得意だ。
無心になって、雪をほじくり返す。
だんだん入口が広がっていき、中に入り込むことができるようになると、私がよつん這いで中に入って掘った雪を進藤が外に出してくれた。
「楽しい」
思わずつぶやくと、「そうだな。俺は役得」と意味不明のことをつぶやいた。
進藤はたまによくわからない。昔から邪険にしてもやたらとかまってくるし。