雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
 私が弛緩している間に、一旦、私の上からいなくなった進藤が戻ってきた。

「安住……これは覚えてるか?」

 ぴくぴくしている秘部に、熱い塊が擦りつけられる。

「知らないってば!」

(昨日のはノーカウントなの!)

 なんでムキになってるのかよくわからないままに叫ぶと、それがずぶっと入ってきた。
 
「ああんッ」

 快感が脳を直撃した。

(もうっ、なんでこんなに気持ちいいのよ! ムカつく!)

 そう思うものの、喘ぎ声しか出せず、進藤に揺さぶられる。

「ふ、ぁあんっ、あっ、あっ、だめっ、そこッ!」

 うれしそうな顔した進藤が顔を寄せてきて、キスされる。胸を捏ねくり回される。奥を穿たれる。
 それは私が何度もイって、脳が蕩けるまで続けられた。

「……クッ、安住……○○○だ!」

 ひときわ奥を強く突いて、進藤も果てる。
 ギュッと抱きしめられてなにか言われたけど、目の裏がチカチカしていた私はそれどころじゃない。

「なにか……言った……?」

 せっかく聞き返してあげたのに、進藤はガックリと肩を落とした。

「……おまえ……俺の渾身の告白を……」

(告白? なにか弱点でも告白してくれたのかな? 快楽とか誘惑に弱いとか? もう知ってるし)
 
 それを言ったら、悔しいけど、私もだ。

 ──実はすげー淫乱なのか?

 昨日進藤に言われて否定したけど……。

「実は淫乱なのかもしれない……」
「はあ? なんで? もしかして、いろんなやつとヤってるとか?」

 進藤がガバッと顔を上げ、目を見開いた。

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