雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
(あれ? なんで朝? 甲羅酒呑んで、それから……?)
私は素肌に進藤のものと思われるTシャツを着ていた。ブラはつけてないものの、ちゃんとパンツは履いていたし、致した感覚もない。
(ただ酔って寝ちゃっただけか)
ほっとした直後、重要なことに気づき、ガバッと飛び起きた。
「あああ〜っ、私、雑炊食べてない〜〜〜っ!」
すっごくすっごく楽しみにしていたのに〜!
カニの旨味が存分に出た雑炊。カニ身のほぐしたのをちょっと入れたり、カニ味噌を混ぜたりして、そこにひとつまみ塩を振って、パリパリの海苔をかけて。
絶対美味しい! 至福の味のはずだったのに……。
私が打ちひしがれていると、なんだ?と進藤が起き上がった。
ぼーっと瞬きした後、急に焦点が私に合ったかと思ったら、彼が叫んだ。
「ああーっ、お前、いい加減にしろよ!」
進藤はめずらしく本気で怒ってるらしい。
赤い顔で私を睨んでいる。
(進藤がこんなに怒るなんて、いったいなにをしたんだろう?)
でも、怒りなら私も負けてない。
「なによ! 雑炊作ったら、起こしてくれてもいいじゃない!」
「雑炊はあとで作る! それより、お前、二度と俺以外の前で酒を呑むなよ?」
「あとで?」
私の怒りは彼の言葉で一瞬にして霧散する。
(雑炊できるの?)
思わず、顔がほころぶと、ほっぺを摘まれた。
私は素肌に進藤のものと思われるTシャツを着ていた。ブラはつけてないものの、ちゃんとパンツは履いていたし、致した感覚もない。
(ただ酔って寝ちゃっただけか)
ほっとした直後、重要なことに気づき、ガバッと飛び起きた。
「あああ〜っ、私、雑炊食べてない〜〜〜っ!」
すっごくすっごく楽しみにしていたのに〜!
カニの旨味が存分に出た雑炊。カニ身のほぐしたのをちょっと入れたり、カニ味噌を混ぜたりして、そこにひとつまみ塩を振って、パリパリの海苔をかけて。
絶対美味しい! 至福の味のはずだったのに……。
私が打ちひしがれていると、なんだ?と進藤が起き上がった。
ぼーっと瞬きした後、急に焦点が私に合ったかと思ったら、彼が叫んだ。
「ああーっ、お前、いい加減にしろよ!」
進藤はめずらしく本気で怒ってるらしい。
赤い顔で私を睨んでいる。
(進藤がこんなに怒るなんて、いったいなにをしたんだろう?)
でも、怒りなら私も負けてない。
「なによ! 雑炊作ったら、起こしてくれてもいいじゃない!」
「雑炊はあとで作る! それより、お前、二度と俺以外の前で酒を呑むなよ?」
「あとで?」
私の怒りは彼の言葉で一瞬にして霧散する。
(雑炊できるの?)
思わず、顔がほころぶと、ほっぺを摘まれた。