雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「んんんーーー〜〜〜ッ!」 

 快感が弾けて、頭が真っ白になった。
 ビクビクと膣が収縮する。
 それでも、進藤は抽送をやめず、私は悲鳴をあげた。

「ぁんっ、んーっ、んんーッ!」

 口を塞がれたまま、身体を跳ねさせる。

(だめっ、もうだめっ、おかしくなるっ!)

 もう一度、大きな波が私を高く押し上げて、快感が脳まで突き抜けた。
 
「くっ……」

 キューッと彼を締めあげた瞬間に、進藤も果てた。

 ようやく唇を離されて、新鮮な空気が入ってくる。
 進藤も荒い息を吐いているくせに、満足したのか、笑みを浮かべ、頬や額や鼻にキスをしてくる。
 最後にチュッと唇にキスすると、進藤は私から出ていった。
 まだぐったりしている私を拭いてくれて、進藤は私の頬を撫でた。甘ったるい顔をしている。

「雑炊作ってやるから、しばらく休んでろよ」
「……うん」

 布団を掛けてくれて、進藤はシャワーを浴びにいった。



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