雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
「仕方ないから、夏希に選択問題出してやるよ」

(え、この体勢で選択問題?)

 心の準備ができていないのに、進藤は口を開いた。

「第一問。夏希はここを舐められるとしたら誰がいい? ①俺、②他の男」
「ちょっと、なによ、その質もん……ひゃあ!」

 ぺろんと秘部を舐められて、変な声を出してしまう。
 
「こういうことを他のヤツにされたいか?」
「バカッ。い、いち」

 進藤は満足げに笑って、そこをペロペロ舐めた。

「あんっ、ちょ、ああん……あっ……」

 私の中が物欲しげにピクピクする。
 そこににゅるりと舌が入り込んできた。そして、私の中を擦る。
 進藤は中途半端に刺激を与えたかと思ったら、舌を引き抜いた。

「第二問。ここに挿れてほしいのは誰? ①俺、②他のヤツ」

 ツンツンと蜜口をつつかれて、とろりと愛液が垂れてくる。

「もしかして、気持ちよければ誰でもいいのか?」
「イヤよ! バカッ! いち」

 正解と言うように私の頭を撫でたかと思うと、進藤は一気に私の中に猛りを突き立てた。

「ああんッ」

 割り入ってくる快感に、さみしかったところが埋められる満足感に、心まで満たされる。
 
「進藤……」

 思わず名前を呼ぶと、優しいキスが下りてきた。
 指の腹で頬を撫でられる。
 進藤は愛情深い眼差しで私を見た。

「最終問題。夏希が好きなのは誰? ①俺、②他の男」

 もう他の男なんて選べるはずがない。

「……いち」

 進藤がわんこの顔でうれしそうに笑った。




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