雪山での一夜から始まるような、始まらないようなお話。
 唇を合わせて、ピッタリと身体を合わせる。
 全身で進藤を感じているのが心地いい。
 くちゅくちゅと舌を絡めて、腰を動かされると、脳が痺れた。今までよりひどく感じてしまっている。
 それは愛されてるとわかったから?
 愛おしいと思ってるから?

「夏希、締めつけがやばい……」
「ん……だって……」

 かすれた声で進藤が言うと、それだけでキュンとして、また彼を締めつけた。
 進藤が余裕のない様子で腰を振り出す。
 身体が打ちつけられるたびに、極上の快感が全身を走る。
 私に夢中になっているこの顔が好きだ。
 好きな気持ちが溢れてくる。

(あれ? そもそも私は進藤のコレが好きだった。今、好きと思ってるのは私の中のもの? それとも本人?)

 考えようとするけど、あまりの気持ちよさに頭が真っ白になって、喘ぐことしかできなくなった。



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