極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「両親には未亜に結婚を承諾してもらっていることも話しているから、つけてくれるなら俺は嬉しいよ」
「わかった。じゃあ、つけるね」
彼の返答を受け、私はリビングの大事なものをしまってあるチェストの引き出しを開け婚約指輪を取り出す。
もらったときと同じく、指輪ケースをさらに箱に入れた状態で保管してあった。
箱から指輪ケースを慎重に取り出す。中身をわかっていても、重厚な黒のケースを開けるのはドキドキしてしまう。
「未亜」
「なに?」
ところが衛士に出鼻をくじかれ、彼に意識を向ける。衛士は笑顔で小さく手招きをした。
「おいで」
茉奈を膝に抱っこしている状態の彼の元に指輪ケースを持ったまま近づく。すると彼は手招きしていた手を上向きにした。
「どうしたの?」
「貸して」
目的語がなくても、それはなにを指しているのかは伝わった。訝しがりながら彼に指輪ケースを渡す。
すると衛士は私とは違いなんのためらいもなく指輪を取り出すと、今度は私の左手を差し出すよう促す。
「わ、わざわざはめてくれなくても……」
衛士の思惑に気づき戸惑うが、彼はなに食わぬ顔だ。
「何度でもはめるさ。俺だけの特権だ」
また彼の手によって、私の左手の薬指に眩しく輝く婚約指輪がはめられた。衛士は満足そうに私の手を見つめ、そっと指先に口づけを落とす。
その仕草があまりにも絵になっていてつい見惚れてしまった。茉奈も衛士の膝の上で興味深そうに目で追いながらおとなしくしている。
「わかった。じゃあ、つけるね」
彼の返答を受け、私はリビングの大事なものをしまってあるチェストの引き出しを開け婚約指輪を取り出す。
もらったときと同じく、指輪ケースをさらに箱に入れた状態で保管してあった。
箱から指輪ケースを慎重に取り出す。中身をわかっていても、重厚な黒のケースを開けるのはドキドキしてしまう。
「未亜」
「なに?」
ところが衛士に出鼻をくじかれ、彼に意識を向ける。衛士は笑顔で小さく手招きをした。
「おいで」
茉奈を膝に抱っこしている状態の彼の元に指輪ケースを持ったまま近づく。すると彼は手招きしていた手を上向きにした。
「どうしたの?」
「貸して」
目的語がなくても、それはなにを指しているのかは伝わった。訝しがりながら彼に指輪ケースを渡す。
すると衛士は私とは違いなんのためらいもなく指輪を取り出すと、今度は私の左手を差し出すよう促す。
「わ、わざわざはめてくれなくても……」
衛士の思惑に気づき戸惑うが、彼はなに食わぬ顔だ。
「何度でもはめるさ。俺だけの特権だ」
また彼の手によって、私の左手の薬指に眩しく輝く婚約指輪がはめられた。衛士は満足そうに私の手を見つめ、そっと指先に口づけを落とす。
その仕草があまりにも絵になっていてつい見惚れてしまった。茉奈も衛士の膝の上で興味深そうに目で追いながらおとなしくしている。