極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
さらにその隣には男性が立っていて、彼には見覚えがあった。ラグエルジャパンの社長、つまり衛士のお父さんだ。
背が高く白髪交じりの髪をオールバックにしてきっちり固め、襟付きのシャツとグレーのスラックスは気品があって落ち着いた印象を抱かせる。
ふたりの視線はまじまじと衛士が抱っこしている茉奈に注がれていた。
女性が一歩、こちらに踏み出す。
「待ちきれなくて、車が見えたから出てきたの。初めまして、衛士の母の朝霧慶子です」
不意打ちの自己紹介を受け、私は衛士の背後から横に並び直し、慌てて頭を下げる。
「初めまして。杉井未亜と申します。この子は娘の茉奈で一歳半になります」
「話は衛士から聞いていたのよ。未亜さんと茉奈ちゃんね。今日は会えて嬉しいわ」
衛士のお母さんは綺麗で思ったよりも明るく気さくな印象だ。
「とりあえず、こんなところもなんだから中に入ってもらったらどうだ」
衛士のお父さんがお母さんに声をかけ、私たちは中に通される。
内装も外観に劣らずとも勝らず、まるで外国にでも来たかのようなスタイリッシュさがあった。白いタイルのような磨かれた床に高めに設計された天井が映える。
いつもならさっさと抱っこから下りようとする茉奈だが、初めての場所や初めて会う人たちに緊張しているのか、衛士にしがみついたままだ。
ひとまず着席前に手土産を渡して再度頭を下げる。慶子さんは笑顔で受け取り、お茶の準備をしてくると台所に消えていった。
背が高く白髪交じりの髪をオールバックにしてきっちり固め、襟付きのシャツとグレーのスラックスは気品があって落ち着いた印象を抱かせる。
ふたりの視線はまじまじと衛士が抱っこしている茉奈に注がれていた。
女性が一歩、こちらに踏み出す。
「待ちきれなくて、車が見えたから出てきたの。初めまして、衛士の母の朝霧慶子です」
不意打ちの自己紹介を受け、私は衛士の背後から横に並び直し、慌てて頭を下げる。
「初めまして。杉井未亜と申します。この子は娘の茉奈で一歳半になります」
「話は衛士から聞いていたのよ。未亜さんと茉奈ちゃんね。今日は会えて嬉しいわ」
衛士のお母さんは綺麗で思ったよりも明るく気さくな印象だ。
「とりあえず、こんなところもなんだから中に入ってもらったらどうだ」
衛士のお父さんがお母さんに声をかけ、私たちは中に通される。
内装も外観に劣らずとも勝らず、まるで外国にでも来たかのようなスタイリッシュさがあった。白いタイルのような磨かれた床に高めに設計された天井が映える。
いつもならさっさと抱っこから下りようとする茉奈だが、初めての場所や初めて会う人たちに緊張しているのか、衛士にしがみついたままだ。
ひとまず着席前に手土産を渡して再度頭を下げる。慶子さんは笑顔で受け取り、お茶の準備をしてくると台所に消えていった。