極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
おかげで責められるどころか、ご両親は申し訳なさそうにしながらも茉奈をひとりでここまで育てた私に対する労いやお礼、私と衛士が結婚する嬉しさや感謝が切々と語られた。
ラグエルや杉井電産といった会社は関係ない、純粋に息子を思って孫の存在を歓迎するおふたりの姿に、張りつめていたものがわずかに緩む。
結局、昼前にはお暇する予定だったが、是非にと勧められ昼食をご両親と一緒に取った。茉奈はすぐに衛士の両親に慣れて、抱っこされ笑顔になっている。
その流れで衛士の子どもの頃の話を聞いたり、アルバムまで見せてもらった。
幼い頃の衛士の写真を、慶子さんの膝に抱っこされた茉奈は不思議そうに眺め、時折指さしをしてなにかを訴えると、朝霧社長が優しく説明する。
予想とは反し、終始温かい雰囲気に包まれた挨拶になった。
昼食後のお茶をいただき、 衛士のご両親はこの後用事があるらしいので今度こそ帰る支度をする。
そのとき朝霧社長に抱っこされていた茉奈が、電池が切れたようにもたれかかっていることに気づいた。
「静かだと思ったら眠ってしまったらしい」
「さっきまであんなにはしゃいでいたのに……疲れたのかしら?」
私は慌てて茉奈を受け取ろうとする。
「すみません。このまま連れて帰ります」
「未亜、荷物を貸して」
抱えていた荷物を衛士が受け取ろうとしてくれたが、そのとき慶子さんが閃いたという顔になった。
ラグエルや杉井電産といった会社は関係ない、純粋に息子を思って孫の存在を歓迎するおふたりの姿に、張りつめていたものがわずかに緩む。
結局、昼前にはお暇する予定だったが、是非にと勧められ昼食をご両親と一緒に取った。茉奈はすぐに衛士の両親に慣れて、抱っこされ笑顔になっている。
その流れで衛士の子どもの頃の話を聞いたり、アルバムまで見せてもらった。
幼い頃の衛士の写真を、慶子さんの膝に抱っこされた茉奈は不思議そうに眺め、時折指さしをしてなにかを訴えると、朝霧社長が優しく説明する。
予想とは反し、終始温かい雰囲気に包まれた挨拶になった。
昼食後のお茶をいただき、 衛士のご両親はこの後用事があるらしいので今度こそ帰る支度をする。
そのとき朝霧社長に抱っこされていた茉奈が、電池が切れたようにもたれかかっていることに気づいた。
「静かだと思ったら眠ってしまったらしい」
「さっきまであんなにはしゃいでいたのに……疲れたのかしら?」
私は慌てて茉奈を受け取ろうとする。
「すみません。このまま連れて帰ります」
「未亜、荷物を貸して」
抱えていた荷物を衛士が受け取ろうとしてくれたが、そのとき慶子さんが閃いたという顔になった。