極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「……衛士の全部が欲しいって言ったらくれるの?」
口にして自覚する。私、まだ怖いんだ。
衛士と向き合って想いを伝えあったつもりだったけれど、亜由美さんから言われた件もあって、心のどこかでまた自分を守ろうとしている。
私は本当の衛士を全然知らないんじゃないか。そして彼をまた失ってしまうかもしれないという不安から。
「あげるよ」
心の靄を晴らすような凛とした声が響く。衛士はしっかりと私と目を合わせた。
「未亜にならなんでも差し出す。その代わり、なにがあってももう手放さない。俺も未亜のすべてをもらう」
彼の瞳はけっして揺れない。唇が触れ合いそうな距離になり私の視界には衛士しか映らなくなる。
「未亜の不安も弱いところも全部受け止める。だからなにも心配せず、俺に堕ちてこい」
そっと口づけられ、瞬きを我慢していた私は目を閉じる。目尻から涙がこぼれそうだ。
「愛している、誰よりも」
「うん……うん。私も」
きっとこれからも私はひとりで抱え込んでしまうときがあるかもしれない。もう性分だ。でも衛士になら私の弱さをさらせる。受け止めてくれる。
ずっと一緒に歩いていってくれる。
今度は私から思いきって衛士に密着し、口づけた。冷たかった体も心も彼の手で温められて満たされていく。
口にして自覚する。私、まだ怖いんだ。
衛士と向き合って想いを伝えあったつもりだったけれど、亜由美さんから言われた件もあって、心のどこかでまた自分を守ろうとしている。
私は本当の衛士を全然知らないんじゃないか。そして彼をまた失ってしまうかもしれないという不安から。
「あげるよ」
心の靄を晴らすような凛とした声が響く。衛士はしっかりと私と目を合わせた。
「未亜にならなんでも差し出す。その代わり、なにがあってももう手放さない。俺も未亜のすべてをもらう」
彼の瞳はけっして揺れない。唇が触れ合いそうな距離になり私の視界には衛士しか映らなくなる。
「未亜の不安も弱いところも全部受け止める。だからなにも心配せず、俺に堕ちてこい」
そっと口づけられ、瞬きを我慢していた私は目を閉じる。目尻から涙がこぼれそうだ。
「愛している、誰よりも」
「うん……うん。私も」
きっとこれからも私はひとりで抱え込んでしまうときがあるかもしれない。もう性分だ。でも衛士になら私の弱さをさらせる。受け止めてくれる。
ずっと一緒に歩いていってくれる。
今度は私から思いきって衛士に密着し、口づけた。冷たかった体も心も彼の手で温められて満たされていく。