極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「連絡先を教えてほしいんだ」
「へ?」
あまりにも予想外の要求に虚を衝かれる。
「電話番号も全部変えているだろ」
淡々と付け足す彼に驚きが隠せない。なにか裏があるのかと疑いそうになるが、衛士の顔は真剣そのものだ。
まさか本当にそれだけのために私に会いに来たの?
複雑な思いに駆られ、ぶっきらぼうに返す。
「父にでも聞けばよかったじゃない」
住んでいるアパートの場所は聞いておいて、連絡先を本人にわざわざ尋ねに来るなんて、どう考えても非効率だ。彼らしくない。
「未亜の口から直接、教えてもらいたかったんだ」
ところが、さらりと告げられた言葉に目を見張った。なんて答えたらいいのかわからず、私は衛士から視線を逸らす。
ここで素直に「わかった」と言って教えるには、まだわだかまりが大きすぎる。別れてから衛士と完全に関係を断ち切ると決めて、その通りにして今までやってきたから。
葛藤していると、突然衛士に手を取られた。
「もう一度、俺に未亜の連絡先を教えてくれないか?」
真っすぐに見つめられ、しばらく動けなかった。ややあって衛士の手が離れ、私はそろそろと鞄からスマートホンを取り出す。
「……番号を言うからかけてもらってもいい?」
「ああ」
ぎこちないやりとりが、なんだか初めて連絡先を交換したときみたいだ。すぐに着信があり、登録されていない彼の番号が表示される。
衛士は連絡先を変えていないのだとすぐにわかるほど、彼の番号は記憶に残っていた。
「へ?」
あまりにも予想外の要求に虚を衝かれる。
「電話番号も全部変えているだろ」
淡々と付け足す彼に驚きが隠せない。なにか裏があるのかと疑いそうになるが、衛士の顔は真剣そのものだ。
まさか本当にそれだけのために私に会いに来たの?
複雑な思いに駆られ、ぶっきらぼうに返す。
「父にでも聞けばよかったじゃない」
住んでいるアパートの場所は聞いておいて、連絡先を本人にわざわざ尋ねに来るなんて、どう考えても非効率だ。彼らしくない。
「未亜の口から直接、教えてもらいたかったんだ」
ところが、さらりと告げられた言葉に目を見張った。なんて答えたらいいのかわからず、私は衛士から視線を逸らす。
ここで素直に「わかった」と言って教えるには、まだわだかまりが大きすぎる。別れてから衛士と完全に関係を断ち切ると決めて、その通りにして今までやってきたから。
葛藤していると、突然衛士に手を取られた。
「もう一度、俺に未亜の連絡先を教えてくれないか?」
真っすぐに見つめられ、しばらく動けなかった。ややあって衛士の手が離れ、私はそろそろと鞄からスマートホンを取り出す。
「……番号を言うからかけてもらってもいい?」
「ああ」
ぎこちないやりとりが、なんだか初めて連絡先を交換したときみたいだ。すぐに着信があり、登録されていない彼の番号が表示される。
衛士は連絡先を変えていないのだとすぐにわかるほど、彼の番号は記憶に残っていた。