極秘出産でしたが、宿敵御曹司は愛したがりの溺甘旦那様でした
「じゃあ、衛士がアパートに泊まりに来る?」
ほぼ口をついて出た提案だった。意外だったのか衛士は目を丸くしたが、すぐに口角を上げた。
「魅力的な提案だな」
私だって衛士と離れがたいのは一緒だ。茉奈もきっと同じだと思う。さりげなく衛士が私の頬に触れ、口づけてきた。
「な、なんか急に遠慮がなくなってきた気がするのは私の気のせい?」
「これでも抑えているほうなんだ。やっと未亜を手に入れたんだから、これからじっくり愛させてもらう」
恥ずかしさを誤魔化すために冗談交じりで問いかけたら、とんでもない回答が返ってきた。
「ちなみに、夫婦のベッドはひとつでかまわないよな?」
不敵な笑みを浮かべたまま当然と言わんばかりに今度は衛士から聞いてきた。ここで素直に『いいよ』と頷くのも悔しくて、私はわざと質問に質問で返す。
「別々にしてほしいって言ったら?」
「えーし」
そこで茉奈が衛士の足元にしがみついてきた。こうして衛士と並ぶと茉奈の小ささが際立つ。衛士は茉奈を素早く抱き上げた。
「茉奈、今日はお父さんも一緒に茉奈のところで泊まっていいか?」
「いい!」
手を上げて返事をする茉奈に衛士が笑いかける。視界が高くなり茉奈はご機嫌だ。そんなふたりの様子を微笑ましく眺めていると、不意に衛士がこちらを向いた。
「未亜」
衛士の顔には茉奈に向けたものとは別で、意地悪そうな笑みが浮かんでいる。
「ベッドの件は要話し合いだな。茉奈が寝た後、ふたりのときに」
それは、どんなふうに話し合うんだろう。
その疑問は口には出さず、私は幸せを噛みしめながら衛士と茉奈のそばに歩み寄った。
ほぼ口をついて出た提案だった。意外だったのか衛士は目を丸くしたが、すぐに口角を上げた。
「魅力的な提案だな」
私だって衛士と離れがたいのは一緒だ。茉奈もきっと同じだと思う。さりげなく衛士が私の頬に触れ、口づけてきた。
「な、なんか急に遠慮がなくなってきた気がするのは私の気のせい?」
「これでも抑えているほうなんだ。やっと未亜を手に入れたんだから、これからじっくり愛させてもらう」
恥ずかしさを誤魔化すために冗談交じりで問いかけたら、とんでもない回答が返ってきた。
「ちなみに、夫婦のベッドはひとつでかまわないよな?」
不敵な笑みを浮かべたまま当然と言わんばかりに今度は衛士から聞いてきた。ここで素直に『いいよ』と頷くのも悔しくて、私はわざと質問に質問で返す。
「別々にしてほしいって言ったら?」
「えーし」
そこで茉奈が衛士の足元にしがみついてきた。こうして衛士と並ぶと茉奈の小ささが際立つ。衛士は茉奈を素早く抱き上げた。
「茉奈、今日はお父さんも一緒に茉奈のところで泊まっていいか?」
「いい!」
手を上げて返事をする茉奈に衛士が笑いかける。視界が高くなり茉奈はご機嫌だ。そんなふたりの様子を微笑ましく眺めていると、不意に衛士がこちらを向いた。
「未亜」
衛士の顔には茉奈に向けたものとは別で、意地悪そうな笑みが浮かんでいる。
「ベッドの件は要話し合いだな。茉奈が寝た後、ふたりのときに」
それは、どんなふうに話し合うんだろう。
その疑問は口には出さず、私は幸せを噛みしめながら衛士と茉奈のそばに歩み寄った。