佐々木兄弟は今日も長女を溺愛中!!

「え……やっぱり彼女さん!?」

「違います!!」

「結衣は俺の大事な妹だ。結衣との時間を邪魔するな。」

「妹さんだったんですね!それならいいんです!仲良いんですね!」

失礼しましたぁ!と言いながら去っていく女子生徒を見ると、なんとか誤解されずに済んだようだ。

これ、これから毎日言われることになるんじゃ。
そう思ってぶわりと鳥肌が立ったのだった。

その後、遼兄に繋がれた手が離されることはなく、手汗が出ていませんようにと祈りながら、気づけば学校に着いていた。

すると、普段笑わない遼兄が微笑んでいるからか、新入生だけでなく2、3年生の女子生徒も黄色い悲鳴を上げている。

遼兄、相変わらずの人気ぶりである。

遼兄は、遠慮する私を教室まで送ってくれた。

「結衣、もし変なことをされたり言われたりしたら俺に言うんだ。すぐになんとかするから。勿論、駿みたいな暴力じゃなくて、な。」

「あ、ありがとう。」

微笑みが少し怖く感じるのは私だけだろうか。

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