あやかし戦記 怪物の城

イヅナがそう返すと、ヴィンセントたちは「そういうつもりで言ってるわけじゃないよ」と言いたげな表情を見せる。だが、それにイヅナは気付くことなく微笑んでいた。

ヴィンセントが離れると、今度はアレンが近付いてきてイヅナの頭を優しく撫でる。そしてニコリと笑った。

「イヅナさんと一緒にこの最終決戦を迎えられるなんて、とても光栄だよ。一緒に戦って、生きて、あの時みたいにパーティーみんなで楽しみたいね」

「私も光栄です。パーティー、とても楽しみですね」

アレンの言葉のおかげで、未来に楽しみができたことで、生きる希望が湧いてくる。みんなで食べて、喋って、踊って、楽しい一夜を想像するだけで頬が緩んだ。

アレンが離れると、今度はチターゼが近付いてくる。そして「緊張感！」と言いながら、イヅナの緩んだ頬を軽くつねった。

「あんた、めちゃくちゃ弱いから騎士団に入れてもすぐに任務で死ぬって思ってた。でもここまで生きれたんだ。最後まで生きなきゃ承知しないからな」

「はい！必ず生きます！」