あやかし戦記 怪物の城
負けられない戦い
ミツヒデたちがアジトとして使っている城は、かなり古い時代に建てられたものらしく、城壁の所々にヒビが入っている。

アレス騎士団員は四つのグループに別れ、城に侵入することになった。正面の門からツヤが仕切るグループが、裏側からギルベルトの仕切るグループが、そして城の両側から、チェルシーが仕切るグループとエイモンが仕切るグループが侵入する。

「……こんな堂々と正面から入れるものなんですか?」

ツヤを先頭にイヅナたちは、大きな門の前に立っていた。重い門は閉ざされているものの、見張りや罠が仕掛けられている様子はない。

「どうせ向かうもこっちが攻めてくるとわかっている。堂々としていた方がいいだろ」

重い門は屈強な男性団員数人がかりで押してみても、びくともしない。大きな門のため、ツヤでも壊すのは不可能だろう。

「早速詰んでね?」

レオナードがそう言うと、ツヤは「これを持って来て正解だったな」と言いながら機械のようなものを取り出す。それを見て、ヴィンセントの目が見開かれた。
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