あやかし戦記 怪物の城
門をくぐると、噴水のある中庭があった。噴水の周りにはボロボロの石像が並んでいる。

妖が隠れているかもしれないため、慎重に進んでいく。刹那、「危ない!」と言いながらヴィンセントがイヅナを抱き寄せる。

イヅナが先ほどまでいた場所には、大きな穴が空いている。妖が光線を吐き出したようだ。

「あそこだ!」

アレス騎士団員の一人が小さなドラゴンを見つけ、銃を発砲する。すると、あちこちから妖が飛び出し、イヅナたちに攻撃を仕掛けてくる。

「ッ!一気に増えたわ!」

イヅナは一瞬驚きつつも、拘束するために玉をいくつも投げ付ける。広がった網は何体もの妖を捕らえていった。

「大勢で取り囲んでボコボコにしようとするなんて、お見通しだっつうの!お前らのボス、ちゃんと計画立ててんのか?」

ツヤが鋭い爪で妖たちの核を素早く破壊していく。ここにいるのはまだ低級の妖たちだ。だが、数は倒しても倒しても増えていく。

「こいつら、どっから増えてくんだよ!」
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