あやかし戦記 怪物の城
レオナードが戦鎌を振り回し、どこからともなく出てくる妖たちに心底嫌そうな顔を向ける。イヅナは手持ちの拘束玉の残りの数を確認する。このままだと、低級の妖だけで全てを使ってしまいそうだ。

「このままじゃ、奥に進めない!」

ヴィンセントが足に纏わりついた小人を振り払い、弓で団員を背後から襲おうとしたゴブリンの核を貫く。

「低級のこいつらなら、俺たちでも倒せます!」

「ツヤさんと何人かは城の中へ進んでください!」

戦っている団員が叫び、ハッとした表情を一瞬見せたツヤは、飛びかかってきた河童を蹴り落とした後、戦っているイヅナたちに顔を向ける。

「イヅナ、レオナード、ヴィンセント、それから上級の妖と戦える奴はあたしについて来い!」

「はい!!」

目の前にいる敵の核を斬り付け、イヅナはちょうど同じタイミングで妖を倒したレオナードとヴィンセントと共に走り、城の中へと入っていくツヤの後を追う。
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