あやかし戦記 怪物の城
悪魔のトップといきなり対面することになり、ギルベルトは内心少し驚きつつも、「それはどうかな?」と懐から玉を取り出す。そして、その玉を思い切りサタンに向かって投げた。

「フン、こんなもの避けられるに決まっているだろう」

サタンは姿を一瞬で消し、地面に玉は勢いよくぶつかる。玉は当たらなかったというのに、ギルベルトは何故か笑っていた。最初から拘束する気など、一ミリも考えていなかったからだ。

玉からは拘束具は出ず、代わりに眩しい光が辺りを照らし始める。これには狐とサタンは驚き、ギルベルトはその隙に地面を蹴り、檻の鍵を剣で壊した。

「君たちは城の中へ。ここは僕とアリスで戦う!」

ギルベルトが団員たちに言うと、「一人忘れてるぜ、ギルベルトさん」と声が頭上から聞こえてくる。ギルベルトたちが顔を上げると、そこには巨大なコンドルの式神に掴まり、こちらに向かってくるユウゴ・ブルーの姿があった。

「最終決戦、俺にも戦わせてください」
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