あやかし戦記 怪物の城
地下に行くのはチェルシーとアレン、そして数人の戦闘員と決まった。チェルシーを先頭に、ゆっくりと階段を降りていく。

一段ずつ降りていくたびに、空気が冷えて重くなっていくような感覚を覚える。頭が何故か「そっちに行きたくない!」と叫んでおり、足を止めようとするが止められない。

そんな不気味な感覚を味わいつつ、チェルシーたちは地下へと足をつけた。目の前には分厚いドアが一つある。

「開けるわね」

チェルシーがそう言いドアを開けると、そこにあったのは団員たちが想像していた実験室ではなかった。広々とした地下室には巨大な棚が並んでおり、そこには金貨が山のように並んでいる。

「ここは、宝物庫?」

アレンの目で見ても価値のありそうな宝石の入った王冠や盾、宝物がたくさん置かれている。

「すげぇ……」

「この金貨一枚で、半年分の給料になるんだぜ!」

ヒソヒソとアレンの後ろで団員が話す。そして、「一枚や二枚くらい貰ったって気付かれないだろ」と言い始める。

「ちょっと、盗むなんて流石にーーー」
< 23 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop