あやかし戦記 怪物の城
「悪魔たち、いないね……」
エイモンの呟きにチターゼは「はい」とだけ返し、辺りを警戒する。だが、視線などは一切感じない。かと言って、油断すると背後から襲われる可能性があるため、剣は構えたままだ。
(あたしたちの方に悪魔がいないということは、アレンたちの方に悪魔は行っているということか?)
生きて帰ると約束を交わしたアレンや同期たちの顔を思い出し、チターゼの手が微かに震える。一瞬、家族を妖に殺された最悪なあの日が頭をよぎったのだ。
もう二度と、あんな形で大切な人を失いたくない。それが今のチターゼの一番の願いである。
「みんな、一旦止まって!」
パーティーホールのドアを開けようとした部下を、エイモンは止める。ドアの向こうからは無数の妖の気配を感じられるからだ。
「僕が先に行くよ。みんなはその後に続いて」
エイモンは二丁の拳銃に銃弾を込め、真剣な顔で言う。チターゼたちは頷き、エイモンが素早くドアを開けて中に走っていく。チターゼたちも部屋へと素早く入った。
エイモンの呟きにチターゼは「はい」とだけ返し、辺りを警戒する。だが、視線などは一切感じない。かと言って、油断すると背後から襲われる可能性があるため、剣は構えたままだ。
(あたしたちの方に悪魔がいないということは、アレンたちの方に悪魔は行っているということか?)
生きて帰ると約束を交わしたアレンや同期たちの顔を思い出し、チターゼの手が微かに震える。一瞬、家族を妖に殺された最悪なあの日が頭をよぎったのだ。
もう二度と、あんな形で大切な人を失いたくない。それが今のチターゼの一番の願いである。
「みんな、一旦止まって!」
パーティーホールのドアを開けようとした部下を、エイモンは止める。ドアの向こうからは無数の妖の気配を感じられるからだ。
「僕が先に行くよ。みんなはその後に続いて」
エイモンは二丁の拳銃に銃弾を込め、真剣な顔で言う。チターゼたちは頷き、エイモンが素早くドアを開けて中に走っていく。チターゼたちも部屋へと素早く入った。