あやかし戦記 怪物の城
「はい!!」

ギルベルトの言葉に全員返事を返し、スープを飲み干す。そして交代で妖が襲ってこないか見張りをすることが決まり、その順番を決めることになった。

「あたしが最初に見張りをする」

ツヤ・シノノメが手を挙げた。彼女は夜になってからずっと何かを考え込んでいるようで、黙り込んでいた。

「一人ではあれですし、私も一緒に見張ります」

「なら俺も一緒に!」

吸血鬼のベラ・ゴドフリーとレオナード・ロマーナが、ツヤと一緒に見張りをすると手を挙げる。ツヤは無表情のまま夜空を見上げ、口を開く。

「いい。あたし一人で見張る。お前らは寝ていろ」

とても反論できる空気ではなかった。レオナードとベラは口を閉じ、寝床を作り始める。ツヤの赤い瞳は、ボウッと空を見ており、イヅナの心を騒つかせる。何となく、彼女が考えていることがわかるのだ。

「イヅナ、行こう。少しでも眠らないと」

ヴィンセント・レゴシに手を引かれ、イヅナはレオナードの作った寝床に向かう。ギルベルトが一人一つずつ用意してくれたテントができていた。
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