あやかし戦記 怪物の城
「レオナード、ありがとう」

「これくらい全然できるぜ!俺、キャンプとか好きだからな」

照れ臭そうに笑うレオナードを見て、ヴィンセントが「勉強もこれくらいできたらな」と言い、レオナードが「言ったな〜?」とヴィンセントにふざけて飛びつく。

「お〜い、こっちもちょっと手伝ってくれない?」

「なかなか組み立てが難しいな……」

戯れているレオナードとヴィンセントに、アレン・ホッジンズが少し離れたところから声をかけてくる。その隣では、チターゼ・グランツがテントを張るのに苦労していた。

「手伝いに行くか」

「そうだね」

「私も行くわ!」

何となく一人になりたくないため、イヅナも二人について行くことにした。その際、ツヤの方を見てみると、また彼女は遠い場所を見ている。

イヅナは、ツヤと二人きりで話してみようと決めた。



ツヤに見張りを頼んで皆が寝静まった頃、イヅナはそっとテントから抜け出し、焚き火のある場所まで向かう。そこでは、燃え盛る炎をボウッと見るツヤの姿があった。
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