あやかし戦記 怪物の城
「お前の言う通り、あたしはあの男を殺そうと考えている。姉さんにかけられた呪いがあってもな」
「復讐のためですか?」
イヅナが訊ねると、「それ以外に何がある!!」と激しい怒りを含んだ目で睨まれる。
「あの男は、姉さんの全てを奪った。命も、未来も、幸せも、何もかも!それなのに自分はのうのうと生きている。それが許せないんだ……。あの男を許せるはずがない!姉さんと同じくらいの、いや、もっと大きな苦しみと痛みを与えてやらないと……!!」
「ツヤさん……」
イヅナは、怒りに体を震わせるツヤの手をそっと握る。興奮したせいか、長く鋭い爪を持った鬼の手に変わっていた。
「……私は、何故カスミさんがツヤさんに呪いをかけたのか、ずっと考えていたんです。一度しか呪術が使えないのであれば、極限状態であれば自分の身を守るために使う人が多いのではないかと。でも、カスミさんはーーー」
イヅナは、辿り着いた答えをツヤに話す。それを聞いたツヤは、今度は瞳から涙を流し、全てを思い出したあの時のように泣きじゃくった。
「復讐のためですか?」
イヅナが訊ねると、「それ以外に何がある!!」と激しい怒りを含んだ目で睨まれる。
「あの男は、姉さんの全てを奪った。命も、未来も、幸せも、何もかも!それなのに自分はのうのうと生きている。それが許せないんだ……。あの男を許せるはずがない!姉さんと同じくらいの、いや、もっと大きな苦しみと痛みを与えてやらないと……!!」
「ツヤさん……」
イヅナは、怒りに体を震わせるツヤの手をそっと握る。興奮したせいか、長く鋭い爪を持った鬼の手に変わっていた。
「……私は、何故カスミさんがツヤさんに呪いをかけたのか、ずっと考えていたんです。一度しか呪術が使えないのであれば、極限状態であれば自分の身を守るために使う人が多いのではないかと。でも、カスミさんはーーー」
イヅナは、辿り着いた答えをツヤに話す。それを聞いたツヤは、今度は瞳から涙を流し、全てを思い出したあの時のように泣きじゃくった。