i -アイ-愛-
痛む身体を無理やり動かし、家を出る。


行き先は特にない。


でもとにかく家から出たかった。


どれだけ歩いただろう。


周りの景色は見慣れないものに変わっていた。


「ここ…どこだろう…」


ボーッと歩いていたから、帰り道もわからない。


家を出て何時間経ったのかもわからない。


「もう疲れちゃった…」


街灯の下に座り込むと、なぜだか涙があふれてきた。


痛かった。


怖かった。


苦しかった。


もう嫌だよ…。


どうして真翔は私を殴るの…?


私のこと、愛してるって言うくせに…っ。


真翔の“愛”っていったい何…?


私は真翔を愛してる。


愛してるのに…。
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