i -アイ-愛-
「おい」


っ!?


低く冷たい声が頭上から降ってきて、心臓が凍りつく。


無断で外出しているのがバレた…。


どうしよう…。


ガタガタガタガタ…っ


殴られるのが怖くて怖くて震えが止まらない。


俯いてやり過ごそうとしたけど、真翔はその場から離れる気配がなかった。


「…大丈夫か?」


声が近くまで降りてきた。


真翔…じゃない…。


今の真翔はこんなに優しくない。


恐る恐る顔を上げると、金髪をオールバックにしている男だった。 


…この顔…知ってる。


真翔から話を聞いたことがあったはずだ。


じゃあやっぱり真翔の追手…?


「私に近づかないで…っ」


怖い。


今連れ戻されたら何されるか分からない。


酔ってるときの真翔は理性なんてまるでなくて、私をモノとしてしか見ない。
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