i -アイ-愛-
「あなたには関係ない…っ。放っといてって言ってるでしょ…?」


「……お前…」


金髪の彼が再び近づいてくる。


「…来ないでよ…」


身体が硬直して動けない。


さっき真翔にされたことが蘇って震えが止まらなくなる。


「…黒羽真翔のオンナだろ」


…この人…。


「茅野琥羽…」


茅野琥羽(かやのこう)だ…。


黒龍の傘下の白虎の総長…。


“女グセが悪いから絶対に近づくな”


真翔からそう聞かされていたのを思い出した。


「真翔サンが大事にしてるオンナがいるってのは聞いてたけど、そーゆー感じとはな」


茅野琥羽はフッと笑って私の腕に触れた。


そして、振り払う間もなく袖口を捲り上げられて、アザだらけの醜い腕が露わになる。
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