i -アイ-愛-
「逃げろ。無理してツラい場所にいる必要ねぇよ」


……っ。


「それができたら苦労しないよ…っ」


逃げたらタダじゃ済まない。


必ず痛い目に遭う。


だったら波風立てずにジッとしてる方がマシだ。


「大丈夫。俺について来い。悪いようにはしないから」


ダメだ。


彼に関わるな。


頭の中でカンカンカンカンと甲高い警報音が鳴り響く。


真翔が名指しで“茅野琥羽には気をつけろ”と言った男だ。


もし関わったことがバレたら…?


「黒羽真翔が族界隈で何て呼ばれてるか知ってるか?“狂犬”だぜ。怒ったら何するかわからない。それはお前も知ってんだろ。そんな奴と一生一緒にいる気か?んなことしてみろ。死ぬぞ」


……。


冷静な言葉を並べられ、心が揺れる。
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