i -アイ-愛-
琥羽に言われリビングで待っていると、数十分後にインターホンが鳴った。
「おせーよ」
琥羽が文句を言いながら迎えたのは、肩までてるピンクの髪をハーフアップにした女性。
さっき居た夏希さんと同じようにスタイルが良い。
「こんな時間に呼びつけといて文句って、あまりにも最低すぎない?そんなんだから彼女できないのよ」
「できないんじゃなくて作らねぇだけだよ」
すごく親しそうだけど、どういう関係なんだろう…?
私の疑問には、琥羽がすぐに答えてくれた。
「コイツは俺の姉貴」
お姉さんか…。
言われてみれば確かに顔立ちが似ている。
「茅野優羽(かやのゆう)です。よくわかんないけど、よろしく〜」
「あ…えっと、篠塚春姫です…。よろしくおねがいします」
優羽さんからは、クラスにいるキラキラした女の子たちと同じ空気を感じる。
美人だからこそ余計に怖い。
「で?何の用であたしを呼び出したの?」
優羽さんはドサッとソファのど真ん中に腰を下ろし、長い手足を組む。