i -アイ-愛-
「こいつのオトコ、黒羽真翔だぜ」


琥羽が放った一言で、優羽さんが纏う空気が変わった。


「黒羽真翔…。ほんとにアイツと付き合ってんの?」


「……真翔のこと…知ってるんですか…?」


露骨に顔をしかめる優羽さん。


苦虫を噛み潰したような顔をしている琥羽。


私が思っている以上に真翔は有名で、危険な男なんだ…。


「…まぁね。あたしはアイツを一生許さない。また機会があったら話すよ」


優羽さんはそう言ってタバコに火を点ける。


ただ、優羽さんがタバコを吸ったり吐いたりする息遣いだけがリビングに響く。


優羽さんと真翔は知り合い…?


真翔の名前を聞いた瞬間、殺気立ったように感じたのは気のせい…?


真翔は優羽さんに何をしたんだろう。
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